「みのる小紋」が西陣前田にやってくる。

春告鳥。はるつげどり、文字通り春を告げる鳥といえばウグイスですね。では夏告鳥ってご存知ですか?この三田辺りではホトトギスだそうです。「テッペンカケタカ、アー、カケタカケタ。」と鳴くあの鳥です。私の家は、山の中にあるので、耳を澄ませなくても、鳥たちの声が聞こえてきます。「夏が来たよ」と歌っています。
(以前の人気記事をご紹介させていただきます)

お洒落でポップな「みのる小紋」

さて、二〇一四年、夏。皆様にご紹介したいのは「みのる小紋」です。ひとことで言うと、関東生まれの粋で、お洒落でポップな着物。
着物は、身八ツ口や、袖の振り、裾周りなど、風の入り込む透き間が多くありますね。なんとも女性の魅力を掻き立てるといいますか、艶っぽい…(笑)。昔の日本女性はちょっとした所に、お洒落を楽しんできたんですね。その部分にこだわったのが「みのる小紋」。八掛の色一つで、表地の着物の表情はガラッと変化してしてしまうほど影響大。そして、羽織やコートの肩裏。脱ぎ着する際にちらっと見える裏地。裏地だけど、凝ってみたいと思いますよね。きっと周りの人達が、「見せて、見せて。」となるのは、必然的。八掛や肩裏などの裏地を裏地で見えないからではなく、見えない所のお洒落を楽しむ日本人の心。まさに「みのる小紋」の裏地遊び。わくわくする色柄、揃っていますよ。

UFOやギターモチーフの江戸小紋

いくつか例をあげてみますと、UFOにラブレター、ギターにピアノ。「えーっ」と思うかもしれませんが、見た目は江戸小紋風。だけどよく見てみると、想定外のモチーフが使われていて大変面白いです。着物の上級者なればこそトライしてみたい柄です。そして着物若葉マークの方なら、きっと着てみたくなるそんなブランドです。

押し絵のルーツは「背守り」

また、「みのる小紋」といえば押し絵。押し絵の着物って素敵です。古布のはぎれを用いての決してふたつとない作品。ぷっくりふんわり膨らみのある押し絵の技法。それによって彩られた帯や着物。たいへん面白い作品になっています。
その押し絵のルーツを語るのに忘れてはいけないのが「背守り」です。
皆様は背守りのことご存知ですか?背守りとは、子供の成長を願う母親が着物の背中に飾り縫いをしたものです。小さな子供の着物は一ツ身といい、背縫いがないので、昔から背後から魔が忍び込むとされ、昭和の初め頃まで、魔よけとして付けられていたんですね。背守りの中で一般的なのは、糸で刺繍のように縫ったもの。又、凝ったものといえば、そう、押し絵です。高度な裁縫技術が必要になるので、それを作る事は母親の誇りであり、愛情表現だったんですね。そんな温かい技法も「みのる小紋」にはエッセンスとして取り入れています。

素材は貴重な東京シルク

そんなお洒落な「みのる小紋」ですが、楽しくて面白いだけではなく、いろんな風合いを楽しむためには、生地自体がしっかりしていなくてはいけません。繊細な色を出すために、絹にこだわり、結城紬、伊勢崎銘仙、明石上布にいたるまでいろんな産地の絹を楽しめます。そして忘れてはいけないのが「みのる小紋」の出身地の東京シルク。東京シルクは、東京八王子の養蚕家で作られた蚕を用いたとても貴重な絹です。その貴重な東京シルクも使っています。

江戸小紋三役の一つ「鮫小紋」

江戸小紋の柄は、数多くありますが、その中でも格が高いとされる三役の「鮫」、「行儀」、「角通し」。その中のひとつ鮫小紋を、「みのる小紋」流にいくと、鮫小紋に鮫が泳いでいます。斬新ですが、見た目は決してふざけてなくて粋なデザインなんです。洒落れてて個性的…。

いかがですか?いちどご覧になりませんか?今回、「みのる小紋」がついに前田にやってきます。三田ではここだけ。いろんなアイテムもそろっていますよ。
みのるこもん、みのるこもん・・・。なんだか楽しくなる呪文のようです。一緒に裏地遊びなど、みのるこもんワールドで遊びませんか。どうぞお気軽にお立寄り下さいませ。